色ポチのこと

社長です。

ホームページを引っ越ししたものの、なんとなくブログをほったらかしにしてしまっていました。昨年から新規事業(マッサージ、Tシャツプリント)を始めて、諸々多忙であったし、考える事も多かった…と言うのは言い訳です、申し訳ない。

引越し後初社長ブログはここ一年位で一番感動したことを書かせてもらおうと思います。事業に関すること、助成金のことなどはおいおい書いていきます。

弊社の本業は生地の卸売なので、お客様の殆どはアパレルさんです。その中でも、私がここ数年一番仲良くさせていただいているのがテンボデザイン事務所様(http://www.tenbo.tokyo)なのです。テンボ様は障害者向けファッションを中心に展開されていて、東京コレクションにも出展しています。弊社はテンボさんが創立当時からお付き合いさせていただいている大事なお客様。代表の鶴田能史氏は推進力が半端なく、多分宇宙エネルギー的なものを動力源にされていると思われます。

さて、障害者向けファッションということで私が感動したのかというと、それだけではありません。皆さんは”色ポチ”という言葉をご存知でしょうか?”色ポチとは、目の不自由な方にもファッションを楽しんでもらうために開発された色を識別する事ができるカラータグです。”(テンボ様HPより)。市販されている洋服(カバンなども含む)には全て材質などを表示するタグが付けられています。色ポチはそのタグの一種で、視覚障害者の方にも洋服の色が分かるようにしているものなのです。このタグをテンボさんはオリジナルで作成されています。

そのタグの存在を初めて鶴田先生(私はこうお呼びしています)にお聞きした時、正直言ってピンとこなかったのです。失礼ながら”目の見えない人が色を知ってどうするのだろう?”、それが最初の感想です。もちろん鶴田先生にはそんなことは言わずに、営業スマイルで”素晴らしい試みですねぇ”などと心にもないことを口にしていました。

それがある日、一人でいつものように行きつけの飲み屋で日本酒を煽っている時に気がついてしまったのです、色ポチの本当の意味を。結論から先に言わせていただくと”コーディネイトができるということなのです。

我々、いわゆる”健常者”と言われる人間は無意識のうちに”色”を識別しています。しかし、視覚障害者の方々は(先天性の方に限りますが)”色”というものを概念でしかわかっていないのだと思います。空は”青”い、火は”赤”い等など視覚ではなく知識として”色”を理解しているのでしょう。

お出かけして人と会う時に女性の方の殆どは着て行く服を色々と考えて選んでいるのだと思います(相手が男性ならなおさらですよね)。そういう時に視覚障害者の方はどうしているのでしょうか、形(ワンピース等)は選べても色は選べませんよね。そこで色ポチの出番です。天気予報で今日は天気が良いと聞いた、空は”青”いという概念は持っています、じゃあ、今日はお天気に合わせて空色のワンピースを着て行こうというコーディネイトができるようになるのです。そして、その空色の服を着て友人(恋人)に会う、その時に相手に”今日のワンピース、素敵だね”と言われたら”うん、今日は天気が良いから青空色にしてみたの”と答えられたりするのです。

なんと素晴らしいことだろう、私はこのことに気づいた時に冗談ではなく目頭が熱くなりました。もちろん、当人には色の識別はできません、見えないのです。でも、でも、その日、その場所、会う人に合わせて色のコーディネイトができるようになるのです。言い方は悪いですが、たかがちっぽけなタグ一つで、ファッションの世界が無限に広がってしまうのです。

今日は雨だからちょっと暗めの服にしよう、お祝いの席だから赤を基調とした洋服にしてみよう、私にはどんな色が似合うのかな…。自分からは見えないけれど、人からは見られている、もしかしたら視覚障害者の方々はいつも”視線”を気にしてるのかもしれません。ファッションは自己主張です、視覚障害者の方でも洋服の”形”は選べました、でも”色ポチ”のおかげでプラス色まで選べるようになったのです。ファッションの可能性というものをこのときほど感じたことはありませんでした。今後もこのような嬉しい発見をいくつもしていきたいと思います。

私は本年2月に齢50歳になりましたが、まだまだ勉強することばかりです。今後も、辛く楽しく頑張っていきますので、皆様宜しくお願いいたします。

(画像は全てテンボデザイン事務所様HPよりお借りしました)

生地販売・受注プリントの株式会社イトーテキスタイル 生地販売・受注プリントの株式会社イトーテキスタイル
Copyright © Ito Textile Co.,Ltd.